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ギリシャのとある田舎町は神話伝説の宝庫

ギリシャ神話の魅力は神話で語られた場所が実際に残っていることです。農業の女神が行方不明の娘を探すのに疲れて腰掛けた岩や、誰と誰が戦った何とか門というように具体的に神話の場所を特定できます。

アテネのパルテノン神殿のある丘アクロポリスでは、その昔女神アテナと海の神ポセイドンがアテネの町をどちらがもらうかと争いました。人間が喜ぶ贈り物をした神がこの町をもらうことにして勝負したところ、オリーブを出した女神アテナが勝利しました。女神にちなんでその町はアテネと名づけられたのです。
アクロポリスにはこの神話にちなんでオリーブの木が植えられています。神々がアクロポリスのどこに立っていたのか詳しい言い伝えはありませんが、オリーブの木のそばに立つとアテネ市内が見渡せました。きっとその辺りに立って、神々は自分のものとなった町を見下ろしたことでしょう。

これほど地に足の着いたギリシャ神話ですが、ギリシャ全土に神話の地が広がっているわけではありません。人々の生活が土地が神話の基本です。神話があって人がいたのではなく、人がいるからこそ神話が生まれたのです。
神話を読んでいると、よく出てくる地名があります。しかも多くの伝説が交差するかのように関係する町もあります。しかもその町は神話世界では知名度が高いのに、目立った遺跡がないので旅行のガイドブックにも載っていません。しかし私は2度目にギリシャを旅行した時にこの神話の宝庫を目指しました。

着いてみれば何の変哲もない小さな町でした。首都アテネまで長距離バスで1時間と少しということもあって、その町からアテネへ通勤する人もいるほどです。その伝説の町の新市街にバスターミナルがあり、バスを降りた私は伝説を求めて旧市街へと向かいました。
古い町は大きな丘の上に広がっていて、せまい道路も含めて道の1つひとつに神話にちなんだ名前がついていました。でも私のようなよそ者にとっては特別に感じられる道の名前も、そこに暮らす人々には当たり前のことなのかもしれません。
町の考古学博物館にほど近い場所に王宮跡が残っていますが、遺跡の大半は住宅の下に埋まっているのだとか。そういえば神話ではこの町に7つの城門がありました。今も6つの門の基礎部分が保存されていますが、残る1つは道路の下にあるのだそうです。上に人が住んでいるので、それ以上の発掘ができないようです。

伝説の中でたくさんの人がこの町に住み、また多くの人がこの町を訪れました。この町にはマザコンの語源となった人が国王として一時期国を治めていましたし、その頃は町はずれにはスフィンクスが住んでいました。どれほど神話の豊かな土地か分かりますよね。
この町の名前を古典文学の中に見つけると心が躍ります。長い間私が憧れ続けた神話の町。町の名前は秘密にしておきたいので言えませんが、私が2度目と4度目のギリシャ旅行で2度も訪れたことだけは自慢させてください。

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